標高差:1,638m

2015年07月20日(当時66歳)


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長野県大桑村須原
林道ゲート〜越百山までの登り:5時間16分
越百山〜南駒ヶ岳への縦走:3時間00分
南駒ヶ岳〜林道ゲートへの下り:6時間05分
コースタイム:14時間42分
(休息時間含む)
Road Map :中央道を中津川ICで下りてR19を北上して須原から伊奈川ダムへの林道に入る。
Route Map:今朝沢林道の通行止ゲートから越百山〜仙涯嶺〜南駒ヶ岳を周回する。
日本二百名山』『日本三百名山』 ロングコースではあるが、越百山〜南駒ヶ岳への縦走は展望良く、奇岩巡りが楽しかった! 
越百山〜仙涯嶺〜南駒ヶ岳
  天候絡みで越百小屋泊りは中止となり、急遽1日での周回となってしまったが、雨に合うことも無く、まあまあの天気の中で周回は出来た。 越百小屋泊りを取止めたお蔭で丸1日と宿泊費9千円が節約出来たことにも繋がった。 下りの困難さは完全に予想外であり、簡単に下るだけと思っていたのが大間違いだった。 ”仙涯嶺”は面白い山であったが、直接登る道がないのが残念、でももう行くことはないか。
温泉に入れず
  下山を終えたのは夜の7時50分、町に戻ると9時を廻ってしまい安い温泉は終ってしまっていた。 今日は嫌と言う程汗を掻いたので汗は絶対に流したいのであるが、温泉が閉まってしまえば仕方が無い。 沢水で体を拭いて、SAでの車中泊を止めて家まで帰ってしまう。

前日の移動
  日本の滝百選に入っている”田立の滝”を散策後、3回目となる”かたらいの里”で汗を流し、道の駅 ”木楽舎”で車中泊とした。 7/20は越百小屋の予約を取っていたのであるが、7/19の夕刻に大雨となり、越百小屋の予約は取消した。 7/20の天気回復次第で再度、宿泊予約をお願いしたいと頼んでみたが、当日の予約はダメと断られた。 越百山への登頂を諦めて帰ろうと思ったが、道の駅で泊ってあくる日の天気を見てみることにした。

2015年度の山、滝遠征
07/19 07/20 07/20 07/20
田立の滝 越百山 仙涯嶺 南駒ヶ岳
〔260〕越百山 (2,613m)仙涯嶺 (2,734m)〔174〕南駒ヶ岳 (2,841m)
標高差:1,518m
標高差:1,633m
累積標高差:2,324m
みなみこまがたけ
せんがいれい
こすもやま
5時08分に駐車地を出発して林道ゲートを抜ける。
しっかり閉まった林道ゲートの右横には
ハイカー用の通路が設けられていた。
早朝に駅の道から今朝沢林道の通行止ゲート前の駐車場に移動する。
駐車場は満車状態だったので、林道脇に車を停める。 駐車場は満車
なのにハイカーの姿は殆んど見られない。 3連休を利用して前々日、
前日に山に入っている様だ。 天気は薄曇り、雨が降らないことを祈る。
橋の上から”今朝沢”を覗くと台風11号の影響か、水量の多い
激流となっていたが、沢水は濁っておらず澄み切った状態だった。
通行止ゲートから少し歩き ”今朝沢橋”を渡ると三叉路となり、
左に行けば長い林道歩きから ”空木岳”へ、右に曲がれば
今日の目的地の ”南駒ヶ岳、越百山”方向となる。
えっ! 福栃橋の手前に軽四が停められていた。しかも下には
ブルーシートが敷かれていた。 近寄って見るとドアサイドには
”越百小屋”の文字が見られた。 小屋関係車はここまで入れるんだ。
長い長い”今朝沢林道”を淡々と歩く。 前にも後にもハイカーの姿は
見られない。 林道には小さな落石が多いが綺麗な状態を保たれている。
三叉路を右に曲がると登山口となるが、行き成りの薮道にびっくり
する。メジャーな登山道のはずなのに、こんな薮道がこの先続
くのかと心配したが、薮道は一過性で直ぐに終わってくれた。
林道歩き42分にて ”福栃橋”を渡り二つ目の三叉路に着く。
今日は ”越百山”に登り ”南駒ヶ岳”から下山する予定。
樹林帯が続く中、右側が開けた場所があった。 これから登って
行く遠見尾根を見ている様であるが、本人は良く判っていない。
これは名も無い小さな山の様だ。
1時間24分にて ”下のコル”に着く。
ここには表示があったから”下のコル”と判ったが、実際には
コルでは無く、広場があるだけだった。 ここが ”四合目”となる。
表示は朽ちており読み難いが、ここから先にも表示が無かったり、
朽ちていたりしていたので現在位置が判り難かった。
”四合目”からは ”遠見尾根”を歩く様になる。
芸術的な立派な根っ子。
シラビソ、コメツガが茂る展望の利かない樹林帯の中を淡々と
歩いて行く。 変化が無く退屈なだけの尾根筋道だ。
2時間34分にて ”展望台”と表示された地点に着くが、
展望台と言う程の展望はなかった。 ここまで ”五合目”、
”オコジョ平”は表示が無かったので通り過ぎてしまった。
3時間丁度にて ”七合目”の水場分岐に着く。 ここは広場になっており
格好の休息場となっていた。 ここで水を補給する予定であったが、水場までは、
どこまで下る必要があるのか判らなかったので越百小屋近くの水場で補給する
ことにしたが、小屋近くの水場は見付らなかった。
展望の利かない針葉樹林帯の中、退屈な道が続く。
崩壊帯(ナギ)の上を通過するが、歩くのには支障なかった。
登山道は ”福栃山”(2,436m)をトラバースする様に
巻いて行く。 登り下りが減るので大歓迎だ。
突然、前方の展望が開ける。 ガスが乗っているが天気は良さそうだ。
ここでは感じられないがガスの流れから山頂付近は風が強そうだ。
山頂に立てる頃までは天気でいてくれよ。
少し歩くと ”越百山”も見えたが、右手のピークを越えて行く必要がありそうだ。
4時間11分で小ぢんまりした ”越百小屋”に着く。
ここに宿泊する予定であったが、時間はまだ10時24分、宿泊するとしたらこの先の時間はどう潰すんだの感じだった。 体力的にはヘロヘロになっているので宿泊したい所であるが、頑張って日帰りすることにした。(当日の宿泊申し込みを断られているのもある。)
気を付けながら歩いたが、小屋近くの水場が見付らなかった。
今日持参の飲み水は2Lのみ。 この暑さでこの量で持ち堪えられるか。越百小屋からも展望の無い樹林帯の登り道が続く。
疲れて足が進まない。
”越百小屋”が小さく見える所まで登って来た。 小屋の後ろの
福栃山はトラバースしているので、ピークは通っていない。
やっとやっと樹林帯を抜けて待望の高山帯に出た。
風が強くなり急に寒くなって来たのでシャツを着る。
下山して来たハイカーにインタビューすると風が強過ぎて”仙涯嶺”で引き返して来た。 と言う。  ”仙涯嶺”ってそんなに危ない所なのか?
5時間16分にて ”越百山”(2,613m)に着く。 ガスが強風に
押されて来て展望は無くなった。 三角点の横で3人のハイカーが
昼寝しており気分悪いので、三角点より標高の高い地点に移動する。
三角点のある山頂よりも、どう見ても岩が点在する
個所の方が標高が高かい様に見えた。
強風を避ける為、岩陰に入って休憩する。
”越百山”の山頂を振り返り見るとガスは強風で吹っ飛んで行き、
三角点付近は展望が開けていた。 更にハイカーが2人増えていた。
これから進む尾根筋を見る。 現在 ”南駒ヶ岳”の山頂にはガスが乗ったり切れたりしている。
おいらが着く頃にガスが切れれば良いのでそれまで待っていてくれ。
”仙涯嶺”には何があるのか未知数である。
東に目をやるとちゃんと特定は出来ていないが、駒ヶ根付近の
町並みと、これも特定は出来ていないが南アルプスの山並が見えた。
ザレ場は踏み跡が不明嶺であるがテッペン部を歩けば問題なかった。
縦走途中から振り返り ”越百山”を見る。
この辺りまではたおやかな尾根筋だったが・・・
3名のハイカーが ”空木岳”から縦走して来たが、
先頭を元気に歩くおば様は相当なお歳に見えた。
”仙涯嶺”が近付いてきて男らし岩峰群が目立って来た。
風は相変わらず強いが ”南駒ヶ岳”の山頂に乗ったガスは中々飛んでいかない。
多くはなかったが不毛の地に
キバナシャクナゲ”が咲いていた。
自然の芸術である奇岩が目立つ様になる。
面白おかしく名前を付けたらと思うのだが・・・
奇岩を過ぎた辺りから振り返り見ると、越百山付近と仙涯嶺付近の山容の違いがよく判った。
一般的に言う女性的と男性的の違いだった。
秘密の通路(?)には丸印が付いていたが薄れて見付け難かった。
岩峰が次々に出て来て、次はどこを歩くのか
予想が付かなくなって来る。
好きだなー! こんな山。
登っている時点ではどこが ”仙涯嶺”の山頂なのか判らなかったが、
見えている範囲で一番高いのが写真のピークだった。
岩峰のテッペンを抜けると広場に出た。
ここへトレランの若者が追い付いて来たので、
写真を撮って貰う。
6時間52分にて ”仙涯嶺”(2,734m)の表示に着くが、
ここは ”仙涯嶺”のテッペンでは無かった。
水場は無いがテント泊が出来そうな場所だった。
追い付いて来た若者にトレランの靴に付いて質問すると知らない
メーカー名が次々と出て来て、この靴が一番気に入っていると一杯
喋ってくれたが、貧乏性のおいらにはさっぱり判らなかった。
どうも道具フェチの方の様だ。 ここで引き返すと越百山の方に走る
様に下っていった。 その元気がおいらにも欲しかった!!。
ネットで良く見るトラバース路が見えた。 どれ位危険なのか? 強風だと
危ないのか? それよりあそこまで行く道は? 疑問だらけであった。
右側に大きく廻り込んで岩を下ってトラバース路の取り付きに着く。 最初の個所は崩壊しており、補助ロープはたるたるに緩んでおり頼りには出来ない。 風は岩峰に遮られてまったく吹いていなかった。
最初の崩壊部だけ気を付ければ通過には何の問題もなかった。 それは ”裏妙義”と比べての話しであり、初めてこんな
所を通過するハイカーに取っては恐い場所だと思う。
パッと見、ここを登るのではないと思ったが、
登山道はこの岩峰の間を縫って登って行った。
周辺には奇岩と呼べる岩峰がニョキニョキと突っ立ている。
その数が半端ではない。
前方に見えるピークが ”南駒ヶ岳”と思っていたが、
それは大間違いだった。 考えが甘いのは相変わらず直っていない。
振り返り見てもニョキニョキ岩峰が望めた。
”仙涯嶺”の山塊から大きく下って行く。
尾根筋の鞍部まで下って行きながら、前方のピークを
まだ ”南駒ヶ岳”と信じており、この後、裏切られる。
岩峰群を縫いながら登って行く。
規模としては東北、北海道の山にとても適わないが、思わぬ所にお花畑が広がっていた。
代表的なお花の ”シナノキンバイ”と”バイケイソウ”だけ撮ってみた。
”コバイケイソウ”と”バイケイソウ”を混同されている方が多いが、これが
バイケイソウ”の花である。
因みに葉っぱは見分けが付かない。
これを登れば ”南駒ヶ岳”と信じつつ、
ハイマツ帯の急登を登って行く。
ここのハイマツ帯はまったくうるさくなかったが、
この後の下山時にはハイマツ帯に酷い目に合わされる。
登って来た登山道を振り返り見る。 ガスはまだ居座っている。
”南駒ヶ岳”だと思っていたピークに登り切ると三角点があった。
もうすぐ→ 」 の文字が 「残念でした!」 に読み取れた。
三角点からは ”南駒ヶ岳”の全容が見えた。
ウェー! まだこんなに遠いんだ。
歩いて来た ”越百山”からの縦走尾根を振り返り見る。
又、騙されそうなピークが見えるがこれは違うと判る。
全ては自分の楽観的な思い違いなので ”山歩きはしんぼう!”
で再び岩峰の間を登って行く。
見えていたピークから標高差2,100m下の ”駒ヶ根市街”方面を見る。
南アルプス方面は雲に覆われてしまった。
8時間23分にて ”南駒ヶ岳”(2,841m)に着く。
”越百山”からなら3時間の行程となった。
ガスに囲まれているが、展望は得られていた。
周辺には既に誰も居ないので、山頂表示の柱にカメラをセットして
自分撮りをしておく。 大休憩する予定であったが、疲れて食欲が
無いので写真だけ撮って下山に入る。
何度も振り返り見ている ”越百山”から伸びる尾根筋。
”越百山”への遠見尾根はまったく面白くない道だったが、この縦走尾根は面白かった。
昨日は沢山のハイカーが休憩していたと思われる山頂風景。
ここから ”空木岳”まで2時間の行程なら ”木曽殿山荘”で
一泊して縦走するのも有りかなーと思ったが、もう遅い。
13時45分に下山に入る。 後は下って行くだけと軽い気持ちで
いたが、地獄の登山道が待っていた。 最初の数十mには登山道が
あったが、その先には登山道、踏み跡が無くなってしまった。
エッ! 登るの? 下山なので登りはもうええよ。
北沢尾根には登山道が伸びているのが見えるが、中々、そこまで辿り付けない。 相変わらず、岩から岩へ伝って行ってるので下山は捗らない。
登山道が無くなる。 岩から岩に飛び移るのが登山道の様であり、
道としての実体が無くなる。 兎に角、方向間違いをしない様に
岩に付いた靴跡を探しながら下って行く。(実際には登って行く)
下るに従って登山道は明瞭になって来たが、ハイマツが生い
茂り登山道は見え難く、ハイマツが邪魔で歩き難い。
しっかりした踏み跡 (登山道)は出て来たが、ハイマツに完全に
覆われてしまい、ハイマツを掻き分けながらの歩きとなる。
折角の高山帯で展望はバツグンなのにハイマツ帯で最悪の道と
なってしまっている。
まさか、あの岩峰に登ることはないだろうと思っていたが、
そのまさかはまさかだった。 頼むから登りは堪えてよ。
まさかの登りはくさり場だった。
おいらに取って全身運動のくさり場の方が許せる。
もう余分ではあるが岩峰からの展望は良かった。 ここから見えている登山道は
普通の登山道に見えたのであるが、ハイマツ地獄はまだまだ続いた。
パッと見では登山道は見えない。ハイマツを掻き分けると登山道が
出て来る。 この辺りまで下りてくると風は通らず蒸し暑い。
振り返り見る景観は良いのだが・・・
下山開始後、初めて道標が出て来る。 ここまでハイマツを掻き分け
2時間は経ったかなと思っていたが、まだ50分しか下っていない。
標高差ではまだ140mしか下っていない。 先が思いやられる。
その心配通りに標高を下げるにしたがいハイマツの背丈が高くなり、
この後、ハイマツは我が背丈を越す様になって来る。
下って来た尾根筋を見るが、ハイマツに覆われて登山道が
見えていない。 それ程、ハイマツが濃いのだ。
振り返り ”仙涯嶺”を見ると良い山だったのが、ますます良く見えた。
標高が下がり高山帯のハイマツ帯は終了して来たが、
今度は雑木の茂る樹林帯となり、藪扱きはまだ続いている。
やっと登山道と呼べる普通の登山道になって来た。
やれやれである。
下山2時間丁度で ”北沢尾根三角点”に着く。ここは三角点を置く程の
ピークではなく只の尾根道の途中である。 ここまでも道標は何箇所か出て
来たが、何の変化も無い似たり寄ったりだったので写真は全て割愛した。
南斜面が崩れた崩壊帯を通過するが、歩くのには何の支障もなかった。 登って来た遠見尾根への展望は良かったが、
逆に遠見尾根側からは北沢尾根は見えなかった。
登山道は淡々と変化なく続いているが、樹林帯の
樹木の種類としては少しづつ変わって来ている。
下山6時間05分にて車に戻る。 下山に時間が掛かりすっかり陽が暮れてしまった。 駐車場の車は殆んどいなくなり数台が残っていたのみ。
14時間42分の山歩きは過去最長ではなかろうか。
長い長い林道歩き1時間30分の途中で日が暮れてしまった。
ヘッデン無しで歩き通し、車止ゲートに戻る。
アクシデント:左太ももに違和感があり、その後、ビシと攣ってしまった。  ストレッチしようとすると、右太ももも攣ってしまった。 攣り方が半端では無く、ストレッチも出来ない痛さが足を走る。 足が攣るのはよくあることなので、今回は ”コムレケア”を持って来ていた。 これを飲むと5分程で足が攣ったのは治った。これは有名な芍薬甘草湯が主成分の薬なのだが漢方薬とは思えない即効性があった。
2024年3月27日改定
普通の登山道が凄く快適に思えた。
下るに従いササ原道となって来たが、ハイマツと比べれば
何の問題も無い道に思えた。
下山4時間31分にて、長かった登山道は終わり、やっと林道に出る。
登山口には四合目の表示があり、”南駒ヶ岳”までは
5.5時間となっていた。
昨日の雨の影響か? こちらの沢も沢山の水が流れていた。
林道歩きを始めると無意識の内に広い方の林道に
入ってしまい道間違いで時間をしまう。